レポートアイテムの各プロパティは、静的プロパティと動的プロパティの2種類に分類できます。
静的プロパティ: 設計時に値が決定され、実行時に変更されません。このようなプロパティはプロパティの右側に が表示されていません。
動的プロパティ: 実行時に評価され、値が動的に変わります。このようなプロパティはプロパティの右側に が表示されていす。
動的プロパティの場合、補間構文を含む文字列である式を設定できます。補間構文は、波括弧 { } で囲まれた文字列であり、実行時に評価されて計算結果に置き換えられます。
式には、定数、パラメータ、レポートアイテム、演算子、関数などを使用できます。レポートオブジェクトにおいて使用できる関数はExcel関数とは異なることに注意してください。Excel関数は使用できません。
式がどのようなものであるかを説明するために2つの例を使用します。
例1:TextBoxコントロールの[値]プロパティに「{1 + 2}」と設定すると、プレビュー時にはその計算結果である「3」が出力されます。
例2:データセットのフィールドの値を出力する場合、補間構文の中にフィールド名を入力します。次の例では、Count関数を使用して値の数を出力するように指定しており、その数が実行時に動的に評価され「1000」と出力されます。
Tableデータ領域の行番号やレポートの条件付き書式で説明している内容は、どちらも関数や演算子を用いた式を構成することで実現しています。
式を用いることでプロパティの値を実行時に動的に変更できるため、レポートの出力文字列を動的に設定するだけでなく、レポート要素の動作の制御を行うことも可能です。
式は柔軟に構成可能であることから、利用パターンは非常に広範に渡ります。ここではよく利用されるものを記載します。
たとえば、[値]プロパティに「{数量*単価*(1-割引)}」を設定して金額を出力します。
たとえば、[非表示]プロパティでIIF関数を使用して、特定の条件のときだけレポートアイテムを非表示にします。
たとえば、[背景色]プロパティに「{IIF(金額 > 200000, "Green", "White")}」を設定して、特定の値以上のセルの背景色を変更します。
たとえば、Lookup関数を使用してほかのデータセットから値を取得します。Lookup関数についてはその他を参照してください。